学校支援事業
 千葉県とNPOとの協働事業は十数年前に始まり、当時はNPOからの提案が認められると予算が付く制度でした。その後、残念ながら協働事業提案制度はなくなりました。それでもいくつかの事業は、予算が付かないながらも県庁の担当課とのつながりを保って協働事業を続けています。ノーマライゼーション学校支援事業もその中の1つで、県教育庁教育政策課、特別支援教育課、学習指導課、県庁児童家庭課、障害者福祉推進課、県民生活・文化課の6課の協力のもとで事業を進めてきました。
この事業の柱は2つあります。1つは障害のある子の学校生活などに関わる個別相談、もう1つは広く県民を対象として発達障害などへの理解を深めるための研修とフォーラムです。個別相談では延べ約230件の相談を受け、学校などに出向くケースワークが36件ありました。今年度から4人の学校サポーターが活動し、毎月のおしゃべり会もさらに充実させることができました。学校サポーターのスキルアップのために、発達協会セミナーの研修を受講しました。
県庁で2回開催した拡大ケース検討会議では、各課の担当の方々から個別相談について高く評価していただき、有意義な意見交換ができました。ひなたぼっこでのケース検討会議には特別支援教育課の担当者が参加され、多くのアドバイスがありました。個別相談と研修について、以下に詳しくご報告します。

(1)個別相談
期間:2018年4月1日〜2019年3月31日
場所:コミュニティカフェひなたぼっこ
相談件数:230件(面談73件、電話46件、ケースワーク36件、メール75件)



今年度から、カフェの営業日の火曜日〜土曜日の10時〜16時に予約受付と個別相談を実施しました。必要に応じて別の曜日にも個別相談とケースワークをし、相談された方と一緒に課題解決に取り組みました。

(2)ケース検討会議
7月、11月、3月に学校サポーター、県庁関係課担当者が集まり、前の月までに受けた相談を一覧表にして報告し、情報共有を図りました。また、特に検討を要する事例について話し合い、関係課からの助言を受けました。

(3)研修
県民向けに、発達障害などの理解を深めるための研修会を4回開催しました。全体テーマを「誰にでもできる支援に向けて」として、教職員、学童指導員、保護者、療育機関や福祉施設の職員など、多様な立場の方々が参加しました。

<第1回、第2回研修>
日時:2018年7月14日(土)10:00〜15:30
場所:千葉県教育会館 203会議室
■第1回 (参加者 111人)
「発達障害を理解するために―小児科医の立場から」
講師:永沢佳純さん 【千葉県千葉リハビリテーションセンター小児科医千葉県教育支援委員会 委員】
■第2回 (参加者 86人)
「障害のある生徒の高校進学と高校生活」
講師:皆川眞一郎さん 【元千葉県立松戸南高等学校 校長】

<第3回、第4回研修>
日時:2019年2月3日(日)10:00〜15:15
場所:千葉県教育会館 303会議室
■第3回 (参加者 88人)
「障害特性に合わせた支援 ―小学校通級指導教室の実践より」
講師:大山恭子さん 【船橋市立船橋小学校 発達障害通級指導教室 教諭】
■第4回 (参加者 67人)
「ユニバーサル就労とは?―発達障害のある人の仕事探し」
講師:鈴木由美さん 【NPO法人ユニバーサル就労ネットワークちば 事務局長】

(4)フォーラム
今年度も、千葉県人権啓発事業として実施することができました。今回で第12回になるフォーラムは「発達障害の特性をふまえた支援のあり方を考える」をテーマに、発達障害当事者の会「BeU」(ビーユー)の名田憲史さんに講演していただきました。「BeU」は大学生と高校生を中心に、若い当事者のコミュニティ作りや社会への啓発活動などに取り組んでいます。「誰もが個性を最大限発揮できる世の中へ」をテーマとした名田さんの講演のあと、林さん、北岡さん、名田さんの3人からお話を聞きました。また、ちばMDエコネットから事業報告として、2017年度の相談データの説明と事例報告をしました。

「発達障害の特性をふまえた支援のあり方を考える」
日時:2018年11月18日(日)13:30〜16:15 (参加者 88人)
場所:千葉県教育会館 303会議室
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ノーマライゼーション学校支援事業報告
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BeU講演「誰もが個性を最大限発揮できる世の中へ」 
講師:名田憲史さん【BeU代表、今年4月に就職】
講演のあとは、名田さん、林利遥さん、北岡かおりさんのパネルディスカッションでした。



名田憲史さん



パネルディスカッション:左から、名田さん、林さん、北岡さん



フォーラム会場の様子